現在、新型出生前診断を受ける方は年々増加していると言われていますが、新型出生前診断(NIPT)で見つかる疾患のひとつに、エドワーズ症候群(18トリソミー)があります。
これは、通常は2本1組であるはずの18番染色体が、1本多い3本となることが原因で発症する病気で、ダウン症候群(21トリソミー)に次いで多い染色体異常となります。
日本においては約5,000~8,000人に1人の頻度で出生すると言われていますが、母体の年齢が高くなるほど発生率は高まります。
流産や死産となることが多いですが、男児の方が流産や死産を起こしやすいと言われているため、生まれてくるのは女児が多いです。
また、出生後の予後は悪いことが多く、生後2か月以内に約50%、1年以内に約90%が死に至るとされています。
エドワーズ症候群は、体のあらゆる部位に様々な症状が現れる可能性がありますが、外見的な特徴として小さい顎・後頭部の突出・多指症・指の重なりなどが生じることが多いです。
また、身体的には約90%に先天性心疾患が見られるほか、成長障害や呼吸器系合併症・消化器系合併症などが現れることがあります。
現在、染色体異常に対する治療法は確立されていないため、発症した合併症に対する治療を行っていくのが基本となります。
新型出生前診断は母体の血液を採血するだけで、胎児のDNAの様子を知ることができ、染色体に異常があるかを判定することができます。
新型出生前診断でわかる疾患に、18トリソミーがあります。
この症状は18番染色体が1本多くなっていることで生じており、エドワーズ症候群とも言います。
18トリソミーではアメリカでは出生時の6千人におよそ1人の割合で見つかっているものの、胎児の段階で自然流産してしまうことが多いです。
出生した場合は筋肉や体脂肪の発達が良くないことから全体的に小さく、さらに耳は低い位置につき骨盤も狭いことが多いです。
内臓にも異常があり、心臓や腎臓、肺や消化管に特に起こりやすく、男児の場合では停留精巣が起こります。
この疾患の場合、有効な治療法はありません。
さらに心臓や肺、腎臓などに重度の異常がみられることから約半数の子どもは生後1週間以内に命を落としてしまうことがあり、1歳まで生きていることができる子どもは10%未満となっています。
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